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神戸の歴史を知ることができる『神戸市立博物館』|関西ハイキング(神戸市中央区)

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古くから様々な交流の舞台となった神戸は、どんな歴史を刻んできたのでしょうか?

神戸市立博物館においては、神戸の海・港を介して営まれてきた文化交流の実態と、それが歴史に与えた影響について、年代別に「海の回廊 東アジアとの交流」「大輪田泊(おおわだのとまり)から兵庫津へ」「兵庫津の繁栄」「開港 世界との交わり」の4つのコーナーを設けて展示していますのでご紹介します。

なお、大輪田泊は、神戸港の古い名称で現在では和田岬として名が残っています。

海の回廊 東アジアとの交流

https://youtu.be/HbAJBZ6AKqA


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2万年前ごろ、わたしたちの祖先は動物たちを追いかけて、六甲山麓の肥沃な大地、ここ神戸の地にたどりついたと考えられています。大陸から海を越えて、コメづくりや金属器、土木技術など新しい技術や知識が伝わり、内海を中心とした流通も盛んになりました。

古墳時代になると、ムラを統率し、クニとして支配する「オウ(王)」が生まれ、オウの墓として古墳が築かれるようになります。古墳に埋納された品々から、国内外の盛んな交流の様子が伺えます。

このコーナーでは、神戸市内出土の考古資料とともに、新しい調査成果を反映させた五色塚古墳模型、市内の主な遺跡を紹介する地図などを用いて、太古の時代に神戸で暮らしていた人々の足跡を紹介していました。

大輪田泊から兵庫津へ

奈良時代には、陸上交通ルートが整備され始め、神戸も山陽道の経由地となります。また、瀬戸内海水運における要地ともなり、大輪田泊などの港湾が修築されて、遣唐使船も寄港しました。

平安時代の終わりには、平清盛日宋貿易の拠点として大輪田泊の改修を進め、東アジアにつながる臨海のこの地へ都を遷そうとします。わずか半年で都は京に戻りましたが、その後も港の重要性は失われませんでした。大輪田泊から発展した兵庫津は、国内外の流通・貿易の拠点として繁栄しました。

このように、陸海双方の交易拠点としての歴史を刻んできた神戸には、海外から最新の文化が絶え間なくもたらされてきました。仏教を主調としたそれらの文化は、人々の暮らしへ広く、深く定着し、現代にまで受け継がれているものも多くあります。

このコーナーでは、文献史料や絵図、神戸の寺社や地域に伝えられてきた有形・無形の資料などを通して、古代・中世の実像を感じることができます。

兵庫津の繁栄

戦国時代には度重なる戦火を被った兵庫津ですが、豊臣秀吉の蔵入地(直轄領)として保護を受け、江戸時代に入ると尼崎藩の庇護の下で港町として繁栄をみせます。

18世紀後半には、北前船尾州廻船など、新興の海運集団が上方の拠点港としたことで、諸国を結ぶハブ港の役割も果たすようになりました。

嘉永7年(1854)、ロシア使節プチャーチンが大阪湾に軍艦で乗り入れる事件が起こると、大阪湾の防備は幕府にとって最重要の課題となります。また、安政5年(1858)に締結された日米修好通商条約において、兵庫は箱館、神奈川、新潟、長崎とともに開港場の一つに定められました。以降、幕府はこの港を幕府海軍の拠点とするとともに、港湾機能の近代化も進めていきました。そのことが開港後、国際港湾都市として発展していく礎になっていきます。

このコーナーでは、当時の文献史料や絵図のほか、新たに製作した兵庫津の再現模型を交え、港町として繁栄した江戸時代の兵庫の姿が見れます。

開港 世界との交わり

1868年1月1日(慶応3年12月7日)に神戸は開港し、外国人居留地および雑居地への外国人の居住を認め、日本最大級の国際貿易港となります。

港を擁する神戸では、輸出品を製造する製茶業、マッチ製造業、紡績業が盛んになりました。さらには、原料に輸入品を用いるゴム工業、造船業、鉄鋼業の一大中心地ともなります。貿易取引の増大は、商社や金融の進出を促しました。

また、来神する外国人や輸入された品々を通じて、洋食や洋装、西洋風の住まい、ゴルフやパーマネントなど海外の新しいライフスタイルがもたらされ、人々の暮らしに浸透していきます。

このコーナーでは、当時の文献史料や絵図、パンフレット、絵葉書など豊富な歴史資料を展示し、近現代の神戸の姿を活写しています。さらに、明治時代の外国人居留地と昭和時代の旧外国人居留地の模型の中を散策できるデジタル機器、ストーリー形式で開港後の神戸のきらめきを感じられる「神戸開港シアター」などにより、楽しみながら国際港都としての神戸の歴史を体感させていただきました。

神戸市立博物館

住所:神戸市中央区京町24番地
開館時間:9時30分〜17時30
定休日:月曜日